「保護犬を迎えたいけど、準備にどれくらいお金がかかるんだろう?」
私自身、保健所から元野犬を引き取る前に、ネットでたくさん調べました。
でも、譲渡費用や準備に必要なものについて詳しく書かれた体験談って意外と少なくて、どれもざっくりとした情報ばかり。
そこで今回は、私の実体験をもとに、以下のことを正直にお伝えします
- 保健所から元野犬を引き取った際にかかった費用(項目別)
- 実際に引き取ってからかかった費用は?
- 引き取ってから毎月かかる固定費はどの程度?
- 買ってよかったもの、逆に買ったけど使わなかったもの
保護犬を迎える方法は大きく分けて2つある
「保護犬を迎えたい」と思ったとき、まず気になるのが「どこから迎えられるのか?」ということ。
保護犬の譲渡を行っている施設や団体は、インターネットで検索すれば地域ごとに見つけることができますが、選択肢としては大きく分けて以下の2通りです。
- 保護団体(保護犬カフェ含む)
- 自治体運営の動物愛護センター(保健所)
それぞれの特徴について解説していきます。
ちなみに私は保護団体で1件申し込みはしたけど、ほかの方と縁があったようで見送り。その後、保健所から引き取ったという流れになります。
保護団体
地域で保護活動を行っているNPOやボランティア団体などが該当します。
定期的に譲渡会を開催していたり、保護犬カフェのように常設で出会える施設を運営しているところもあります。
また、多くの保護団体は、自治体が運営する動物愛護センターから犬を引き出し、里親探しをサポートしています。
SNSを活用して里親募集をしているところが多く、ネット経由で出会える可能性が高いのも特徴のひとつです。
自治体が運営している動物愛護センター
都道府県や市町村が運営している施設で、野犬や飼育放棄された犬たちを収容し、譲渡も行っています。
いわゆる「保健所」と呼ばれることも多く、私の家のゴンも岡山県倉敷市の保健所から引き取りました。
譲渡条件や申し込み方法は自治体ごとに異なるので、事前確認が重要です。
保護犬を迎えるときにかかる主な費用項目とは?
私が実際に支払った金額を紹介する前に、一般的な譲渡費用の平均と内訳について少し説明します。
保護犬を譲渡されるための費用の平均は?
保護犬の譲渡には、おおよそ10,000円〜60,000円ほどかかると言われています。
この金額は、保護団体などから引き取る際に必要な費用で、犬の値段ではありません。
よく誤解されがちなのですが、保護犬にかかる費用というのは、生体価格ではなく、保護〜譲渡までに必要だった医療やケアの費用に対して請求されているものです。
具体的な内訳としては、以下のようなものですね。
- 不妊や去勢の手術
- 健康診断
- 混合ワクチン接種
- 狂犬病ワクチンと登録費用
- 医療費 (怪我や病気の治療をしていた場合)
保護犬をお迎えする方法によって費用は異なる
保健所(動物愛護センター)から引き取る場合は、最も安く済む傾向があります。
公的機関なので、信頼性も高く、譲渡にかかる費用も比較的抑えられています。
一方で、保護団体から迎える場合は、費用がやや高めになることもあります。
特定非営利活動法人(NPO法人)として法律に基づいて運営している団体であれば信頼性は高く、譲渡費用に運営維持のための寄付が含まれている場合もあります。
つまり、実際にその子にかかった医療費などの他に、今後も活動を続けていくための支援金的な意味も込められているということですね。
譲渡費用を安く値切ることは可能か?
結論から言うと、譲渡費用を値切ることはできません。
そもそも、この費用はその子の命をつなぐために実際にかかった医療費やケア費用であり、値切ること自体が失礼にあたる行為です。
保護団体の多くはボランティアによって支えられていますが、活動には当然お金がかかります。
もし、毎回譲渡費用を値切るような人ばかりだったら…活動そのものが成り立たなくなってしまいますよね。
保護犬を譲渡してもらう際にかかった費用(リアルな内訳)
ここまでは「なぜ費用がかかるのか?」を紹介してきましたが、ここからは私が実際に支払った費用を1円単位で細かく紹介していきます。
保健所からお迎えするための初期費用
| 項目 | 金額 |
| 首輪×2個 | 1,781円×2=3,562円 |
| チェーンリード×2個 | 1,570円×2=3,140円 |
| クレート | 6,726円 |
| ペットサークル | 9,489円 |
| ペットトイレ | 2,200円 |
| ご飯用のお皿 | 1,653円 |
| お水用のお皿 | 1,336円 |
| 保健所からの譲渡費用 | 0円 |
初期費用の合計金額は28,106円となりました。
保健所からの譲渡だったので、譲渡費用は無料でした。
ですが、これが保護団体からの譲渡だった場合は、ここにさらに1万〜6万円程度の費用が上乗せされる可能性があります。
私の場合は、実家の犬のおさがりを使ったり、ペットサークルをジモティーで購入したりと、節約できるところは工夫しました。
実際、犬用品ってしっかりした作りのものが多いので、中古でも十分使えるものがたくさんあります。
ジモティーやメルカリなどのサイトをうまく活用するのは、かなりおすすめです!
元野犬の保護犬をお迎えしたあとにかかった費用
| 項目 | 金額 |
| 健康診断 | 4,620円 |
| ワクチン2回目&薬(回虫) | 10,300円 |
| 3回目&クレデリオ&薬(回虫) | 11,350円 |
| 術前検査(去勢) | 7,000円 |
| 去勢手術 | 23,500円 |
| フィラリア予防薬 | 3,370円 |
| 皮膚炎薬 | 1,650円 |
| ドッグフード | 5,300円 |
| 子犬用のチュール | 1,103円 |
| 犬用のベッド | 4,180円 |
| おもちゃ複数 | 3,000円 |
| ペットカメラ×2個 | 2,980円×2=5,960円 |
| Apple AirTag | 4,779円 |
お迎え後にかかった費用は86,112円です。
- 病院関係:61,790円
- 犬用品:24,322円
ゴンの場合、、保健所を支援している保護団体の方々がとても尽力してくださっていて、ワクチン1回目と狂犬病ワクチンはすでに済んだ状態での引き取りでした。
それでも、引き取り後に病院での健康診断はやはり必要ですし、去勢手術についても、様子を見ながら獣医の先生と相談して、時期を決めて実施しました。
他にも「下痢が続くな」と思って便検査をしてもらったところ、回虫がいたため治療費も発生しました。
こういったトラブルは元野犬では珍しくないとのことなので、多少の医療費が発生する前提で準備しておくと安心です。
毎月かかる費用も忘れずに考慮しておく
| 項目 | 金額 |
| ドッグフード | 約8,500円 |
| ペットシーツ(まとめ買い) | 5,933円 |
| おやつ、おもちゃ | プライスレス… |
大容量を買って節約しているので、月々の費用はざっくりとなってしまいますが、大体1万円程度となっています。
どのぐらい「おもちゃ」や「おやつ」を買うかで結構変動しますね。
おもちゃのオススメについては↓の記事で詳しく解説していますので、丈夫なおもちゃを探している方は是非みてください。
長距離移動をしたため、別途交通費も高くついた
保護犬を譲渡してもらう場所が徒歩圏内というケースは少なく、基本的に交通費は自己負担になります。
私の場合、神奈川県から岡山県まで車で迎えに行きました。
高速道路の深夜割引などをフル活用しても、往復でおおよそ3万円程度の交通費がかかりました。
私の場合は神奈川県から岡山県まで車で迎えにいっているので、深夜料金駆使しても約3万程度の交通費がかかっています。
こういった思わぬ高額出費もあり得るので、譲渡場所が遠方になりそうな方は、交通費も含めてあらかじめ予算に入れておくことをおすすめします。
買ってよかった!絶対に必要だったアイテム3選
費用の紹介時に買ったものは紹介しましたが、絶対に準備しておく必要があるものは3つです。
| 首輪 | お迎え時にすでに装着しておく必要があります。 |
|---|---|
| リード | 首輪とセットで、安全に移動させるために必須です。 |
| クレート | 犬を入れて移動するための「持ち運びハウス」として必要不可欠。 |
首輪とリードについては、多くの方が事前に想像しやすいかと思います。でも、見落としがちなのがクレートです。
保護犬についてあまり知らなかったり、犬を飼うのが初めてだったりすると、「リードでつないで歩いて帰れるかな?」とか「車にそのまま乗せればいいか」と思ってしまいがちです。
ですが、実際には犬がすぐに懐くとは限りませんし、慣れない環境で怖がってパニックになることもあります。
- 最初から犬が寄ってくると思わないこと
- 首輪とリードだけだと脱走の危険が高い
だからこそ、安全に移動させるためには、入ってもらって運ぶためのクレートは絶対に用意すべきアイテムなんです。
お迎え予定の子に合ったサイズを確認した上で、あらかじめ準備しておくのがおすすめです。
元野犬だったからこそ必要だったもの
保護団体によっては、首輪やリードの指定がないこともあります。
実際に私が保護犬を探していた団体の中にも、「クレートと身分証明書を持参してください」という表記で募集しているサイトもありました。
でも、倉敷市の保健所は「元野犬」ということもあり、首輪とリードはそれぞれ2個ずつ用意してくださいという指定がありました。
元野犬は、譲渡直後の脱走リスクがとても高いとされています。
だからこそ、もし1本のリードや首輪が外れても大丈夫なように、2重に装備する必要があるんです。
しかも、それぞれのアイテムにも指定条件がありました。
- ベルト状の首輪(首輪の長さを穴で調節するもの)
- 金属製で鎖状のリード
- 樹脂製または金属製のキャリーケージ
つまり、「外れにくい首輪」、「噛みちぎれないリード」、そして「しっかり固定できるクレート」が必須だということです。
こういった条件は、保護団体や保健所によって異なるので、
事前に確認するのはもちろん、元野犬を迎える場合は“二重の安全対策”を前提に準備しておくと安心です。
私が実際に買って、お迎え時に使用した3点セットのリンクを貼っておくので、是非活用してください。
まとめ:費用はかかったけど、その分だけ得られたこと
ここまで、保護犬(特に元野犬)を迎えるにあたってかかった費用や、実際に必要だったアイテムについて詳しくお伝えしてきました。
お金の話は、やっぱりリアルな部分で「いくらかかるのか分からない」「準備が不安」と感じていたあの頃の自分と同じ悩みを抱えている方の助けになればと思い、この記事を書きました。
結果として、準備から医療費まで合わせると10万円を超える出費にはなりましたが、それでも私は、この出会いにかけた時間とお金に後悔はひとつもありません。
むしろ、「迎えてよかったなあ」と思える瞬間が、日々どんどん増えていっています。
「保護犬を迎えること」は大きな決断になるので、熟考は必要だと思います。
だけど、少しでも安心して一歩を踏み出せる人が増えたら嬉しいです。
↓実際のお迎え当日の流れについてはこちらの記事で詳しく紹介しています
↓お迎えすると後悔するかも?と悩んでいる方向けの記事はこちら
↓動画でも費用については紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください!
(補足:今回の記事内で紹介している金額と動画内で紹介している金額の差異は「購入時の金額と記事執筆時の金額が違うからです)




