保護犬(特に元野犬)をお迎えしようと検討しているとき、
「本当にお迎えしても大丈夫なのかな?」と不安になりますよね。
私たちもお迎え前は同じ気持ちでした。
そんな私たちでも、今は「ゴンをお迎えして本当に良かった」と胸を張って言えています。
そう思えるようになった今だからこそ、
当時の自分と同じように悩む方へ、少しでも安心材料を届けたいと思い記事を書きました。
・元野犬を迎えるのって実際どうなの?
・長距離移動で気を付けたことは?
・お迎え初日ってどんな感じ?
こんな気持ちに寄り添えるように実体験をお届けしますので、少しでも力になれたら嬉しいです。
保護犬の中でも元野犬をお迎えすることにした理由
↑故郷の岡山県を出発して神奈川県に移動する元野犬のゴンさん
ゴンは岡山県の倉敷保健所で、約2ヵ月間収容されていた元野犬です。
神奈川までの長距離移動を小さな体で頑張ってくれたことに、今でも感謝しかありません。
ここでは、私たちが元野犬の保護犬をお迎えすることにした理由をお話します。
なぜ保護犬(元野犬)という選択肢を選んだのか
保健所の収容動物の投稿をSNSで見ていて、その現状を知ってからは常に保健所のわんちゃんやねこちゃんが気がかりで、何か力になりたいという気持ちが強くなっていました。
どの子も「最後の家族」を待っているのに、
チャンスが巡ってこないまま時間が過ぎていく——。
「1匹を迎えたところで状況は変わらないのかもしれない。でも、目の前の1匹の未来は確実に変えられる。」
そう思うようになり、保健所に収容されている子の中から迎えることを決めました。
なぜ神奈川県から岡山県まで?長距離移動になった理由
正直に言えば、最初は神奈川県や東京都の保護団体や保健所で探していました。
近所の保護団体や保健所であれば、片道650kmという長距離移動は発生しないから、犬に負担をかけることもないですからね。
それでも倉敷市保健所を選択したのには理由があります。
・近所の保健所はさほど逼迫していないor県内在住しか引き取れない
・保護団体は条件が厳しいし、人気があるので複数組から審査となった
・初めての里親で、保護団体の質を見極める自信がなかった
多くの人と同じく、最初は近所の保護団体を検討しており、実は実際に1回申し込みまでした経緯があります。
でも見学に行った際に希望者がかなり多く、この団体なら私たちが引き取らなくても平気なのかも?と思ってしまったのが正直なところ。
そこで保健所を視野にいれて探していると、特に逼迫しており野犬問題が厳しくなっている倉敷市保健所でお迎えする決意をしました。
保健所でのやり取りと引き渡しの記録
ここからは保健所に向かう前から、ゴンを引き取って帰ってくるまでの流れがどうだったのかを紹介します。
保健所への事前確認
少しイレギュラーではありますが、私たちの場合は保健所に行ってから
と言われたら絶望しかないので、まずはメールと電話で私たちの情報をお伝えして、保護犬をお迎えできるのかを確認しました。
- 神奈川県在住のため、遠方からのお迎えになる
- 車で長距離移動は問題ないか
- 共働きである
- 先住猫がいる
- 特にこの子というのは決めていない。直接見て決めたい。
メインとしてはこんな感じです。
正直に職員さんにお伝えした結果、「問題ありません」とお返事をいただけたので出発準備を開始したという流れになります。
数多くいる収容犬の中からゴンにした理由
保健所には本当に色々な子がいました。
子犬から成犬、近寄ってくる子もいればビビって逃げる子もいて、固まって動かない子、鳴く子もいれば鳴かない子も…。
その中でゴンにした理由はフィーリングといってしまえば終わりなのですが、現地でかなり悩みました。
・子犬でも成犬でも良かった
・共働きのため、寄ってくる子は可哀想かもしれないという考えがあった
・ビビりの子なら人がいない時間が多い方が家には慣れやすいのではないか
・大人しそうな子の方が先住猫のガブが受け入れやすいのではないか
結局のところ、上記の悩みを保健所の職員さんにお伝えして、それぞれの子の性格を聞いて決定しました。
ちなみにこのときゴンは推定4ヶ月の男の子。
猫との相性も考慮
特に考えたのは先住猫のガブと仲良くなれそうかでしたね。
ガブは性格的に物怖じしないし、初対面の人相手でも近づいていくほど人懐っこい猫です。それでも犬との相性は未知数。
ただ、保健所で見たところで性格が分かるかというと、それは難しい話しです。
いきなり猫を追っかけまわしたり、噛む可能性があるという説明があった子は避けた程度の選び方になってしまってます。
元野犬の子犬と長距離移動をする際に気をつけたポイント
↑長距離移動を頑張って我が家に到着した直後のゴン
私たちのように650kmもの車移動は多くないかもしれません。
ですが、数時間の中距離移動でも参考になる部分があると思いますので、少しでもお役に立てたら嬉しいです。
脱走防止策は絶対に妥協しない
保健所の職員さんから、最初に強く言われたことがあります。
元野犬は常に「どうやって脱走するか」を考えていると思ってください
この言葉がすべてを表している気がします。
私たちが実際に行った対策はこれです。
-
クレート+チェーンリードの二段構え
-
車の扉を開閉する時は毎回、クレートの扉が確実に閉まっているか確認
-
SAやPAで外に出さない(パニック → 一瞬で逃走)
「かわいそうだから…」をぐっと我慢。
この時ばかりは、感情より安全が最優先です。
排泄・嘔吐は起きるものと受け止める
この問題に関してはしょうがない部分があると受け入れる覚悟が必要だと感じました。
既に慣れている自分の犬であれば排泄対策として、
- 直前のご飯は控える
- 事前にトイレをしておいてもらう
みたいな内容が考えられると思いますが、これから保護犬をお迎えする人にとっては、保護施設にお願いしておくぐらいのことしかできません。
なので、実際にやったことといえばペットシーツをクレートに敷いておくぐらいなものです。
途中排泄はあったけど、緊張疲れのせいか中間地点あたりからほとんど寝ており、家の駐車場の段差にビックリして嘔吐したのが1回だけの優秀な子でした。
緊張している犬への接し方
長距離移動で緊張している犬への接し方は難しい話しだと思っています。その子の性格にもよると思うので…。
ゴンは超絶ビビりで元野犬という子だったので、人慣れしていないことを考慮し、あまり見ないようにしてあげていました。
優しく声掛けをたまにする程度で、移動以外のストレス要因を極力入れないって感じですね。移動が長時間になりすぎたので、脱水が気になり途中でチュールをあげることはありましたが。
元野犬の保護犬をお迎えするのに必要なもの
ここからは元野犬の保護犬をお迎えするために、実際に私が準備して必要なだったものを厳選して紹介します。
準備するべきアイテムリスト
| 首輪×2個 | ベルト状の首輪(首輪の長さを穴で調節するもの) |
|---|---|
| チェーンリード×2個 | 金属製で鎖状のリード |
| トイレ用のシーツ | トイレマットの上でしてくれるのを期待するならマットも準備 |
| ご飯用のお皿 | 高さのあるお皿だと食べやすいのでおすすめ |
| お水用のお皿 | お水も同様に高さがほしいところ |
| 持ち運び用ケージ | 樹脂製または金属製のキャリーケージ |
| ドッグフード | まずは保護先でもらってたご飯と同じが無難 |
先ほど脱走防止策で紹介したアイテムにプラスして、トイレと食事関係のアイテムをもっておけば最低限は問題ありません。
個人的には次に紹介するアイテムも全て持っておいた方が後悔は少なかったです。というか持っておくべきだと実感したレベルです。
出来れば準備しておいた方が良いもの
| おもちゃ複数 | 好みがあったり壊れたりするので、可能なら何個か用意 |
|---|---|
| ペットカメラ | 様子を確認するのにめちゃくちゃ重宝する |
| AirTag | もしも脱走してしまったときの事を考えて準備 |
| ベッド | 落ち着ける場所の提供 |
| 子犬用ちゅ~る | 距離を縮めるためのアイテム |
| ハーネス | 首輪2個にプラスすると安心感が違う(ハーネスのみはNG) |
| ペットサークルまたは犬小屋 | 隠れられて安心できる場所を作ってあげる |
| アンカー | 係留するためのアイテム(我が家はダンベルで代用) |
この記事執筆時点でゴンをお迎えしてから約8ヵ月経過していますが、ほとんどのおもちゃは1~2日で壊されてしまっています。
その中でも「カムガムアミーバー」はお迎え初日にあげたのに壊れたのが先月なので、約7ヵ月も生きのびた猛者ですので、自信をもってオススメできます。
おもちゃについては↓の記事で詳しく紹介していますので、是非参考にしてください。
お家の環境も保護犬お迎え仕様に準備
ペットサークルで囲み、落ち着ける環境を事前に準備しておき、ゴン到着後はサークルの中にすぐ入ってもらいました。
我が家は先住猫がいるので、お迎えしてすぐに猫と壁もなく会わせることは避けるため、ペットサークルに布やタオルをかけて直接は見えないようにしています。
アンカーやダンベルも事前に入れておき、チェーンをすぐ繋いで係留できるようにしておくのが無難です。
実際にお迎えしてみて分かったのは、保健所の職員さんが言ってた通り、元野犬は隅っこやスペースに隠れて出てこなくなりそうな動きをします。
逃げ回られると引っ張り出すのも大変だし、最悪のパターンは家の中なのに捕まらないレベルの勢いで逃げます。
お迎えする保健所や保護団体の公式HPを確認
補足程度にお伝えしておきますが、保護する条件として持参する物を保健所や保護団体が指定しているはずです。
持っていかないと譲渡していただけないので、最低限確認しておきましょう。
ちなみに倉敷市保健所が指定している持ち物は以下の3つです。
- ベルト状の首輪(首輪の長さを穴で調節するもの)
- 金属製で鎖状のリード
- 樹脂製または金属製のキャリーケージ
補足:ハンドリングテストについて
保健所から譲渡される際、多くの自治体では「ハンドリングテスト」と呼ばれる確認が必要です。
私も最初は聞き慣れない言葉にビビってしまい…「できなかったら譲渡されないの?メチャクチャ遠くからきて手ぶらで帰るの…?」と不安でいっぱいでした。
でも実際は、とてもシンプルでした
ぶっちゃけメチャクチャ簡単です。
- 保護する子を決める
- その子に持参した首輪をつける
- チェーンを繋げる
- クレートに入ってもらう
これだけです。
苦戦したというより加減が分からなかった点とすると、「クレートに入ってくれない…。どうしよう…。」と悩んでいると職員さんから「ある程度力強く引っ張っちゃってください。そうしないと入りません。」とやり方を教えてもらいました。
職員さんも不合格にしたいわけじゃないので、手は出せないけどアドバイスは積極的にくれます。気負わずにやれば間違いなくパスできますよ。
まとめ
今回は、遠方(神奈川 ⇔ 岡山)から元野犬のゴンをお迎えした実体験をまとめました。
不安はたくさんあったけど、「1匹を迎えたところで状況は変わらないのかもしれない。でも、目の前の1匹の未来は確実に変えられる。」その気持ちが、私たちの背中を押してくれました。
もし今この記事を読んでいるあなたが、同じ場所で迷っているなら、少しでも力になれたなら嬉しいです。
お迎えするにあたり、実際にかかった費用はこちらで1円単位でまとめています。
お迎え初日の様子はYouTubeでもUPしていますので、是非のぞいてみてください!




